公開日:2025年2月14日
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「パリ パラリンピック」陸上男子100m視覚障害のクラス 銅メダル 川上秀太選手へのインタビューはぴっ♪
はぴっ♪
年末に開催された「スポカルFUKUI2024」(2024年12月7日、8日 サンドーム福井)。ステージイベントとして、福井県スポーツ特別賞贈呈式やオリンピアン・パラリンピアンのトークショーが行われたはぴ。そこで今回は、トークショーに参加した2人のパラリンピアン、川上秀太選手(男子100m(視覚障害T13)銅メダル)と伊藤竜也選手(男子100m(車いすT52)8位、男子400m(車いすT52)予選10位)にインタビュー。レースのことはもちろん、パリ大会全体のことや印象に残ったこと、帰国後のこと、今後の目標など、それぞれに聞いてみたはぴっ!
まずは、川上秀太さんへのインタビューはぴっ♪
―男子100m、10秒80で銅メダル獲得、おめでとうございます。ゴール後、3位とわかった瞬間の気持ちを教えてほしいはぴっ!
〈川上秀太桂選手(以下:川上)〉
「メダルを獲れてよかった!」ですね。今回、視覚障害クラスでの日本の男子選手のメダル獲得は1988年のソウル大会以来36年ぶりとのことで、嬉しかったです。でも、実は決勝レースは納得いくものではなくて、むしろ課題が残りました。スタートが遅れて焦りましたし、練習していた“最初の4歩”も不十分。でも、最後まで頑張ろうと焦る気持ちを押さえながら走りました。こんな風にレース中に考えていること自体、集中できていないということ。それに、1位2位との差、世界との差も明確になりました。だからこそ、次の大会ではもっと頑張るつもりです。
―会場の雰囲気はどうだったはぴ?
〈川上〉
通常の大会と比べて選手と観客との距離が近くて、イベントのように賑やかでザワザワしていました。もちろん、スタート直前は独特の静寂に包まれますが、ザワザワした中、初のパラリンピックで気持ちが浮ついていて変にハイテンションになってしまったことが、走りにも影響してしまいました。そういう意味で今後はメンタル面も鍛えつつ、世界での経験を積み重ねる必要があると思っています。
-レース以外で印象に残っていることを教えてはぴっ!
〈川上〉
毎日の食事ですね。選手村にはたくさんのキッチンカーが並んでいたし、パンは種類も豊富で、しかも焼き立てでおいしい! コーヒーとの相性も抜群で、朝はパンとコーヒーで有意義な時間を過ごすことができましたスイーツもおいしかったですね。ちなみに、日本のスポンサー企業の協力もあって日本食もたくさんあって、ありがたかったです。
-帰国後、メダリストとしての活動もかなり増えたはぴ?
〈川上〉
いろいろな所でお話する機会が増えましたし、地域の方や初対面の方からも声をかけられるようになりました。嬉しいですよね。だから、大会が終わってからのほうが日本代表としての自覚やプロ意識が高まってきたように思います。私は常に、誰かに笑顔や勇気を与えられる存在でありたいと思っていて、それが今回のメダル獲得で形になったと思っています。
また、子ども達とふれあう機会も増えました。子ども達に伝えたいことは、“自分の言葉で自分の想いを伝える”ということ。例えば、障がい者だから手伝ってもらうのが当たり前ではなく、“自分でできることは自分でする”と伝えたほうが良いと。そうすることで自主性も持てるし、生きていく上で豊かになると思います。
-改めて、走ることは楽しいはぴ? 具体的にどう楽しいはぴ?
〈川上〉
楽しいです! 楽しい理由はズバリ、数字です。走ることは、すべて数字で決まるシビアな世界です。100分の1秒、あるいは1000分の1秒の壁を超えられるかどうか。超えることで達成感があるし、超えられないとメダルさえも獲れない。今回は銅メダルでしたが、やはり目指すところは金メダル。理想の数字(タイム)に向けて、体を早くゴールに持っていくだけです。
-日々、どのような練習をしているはぴ?
〈川上〉
母校の福井工業大学で学生達と一緒に練習することもあります。走るだけでなく、バイクやジャンプ、筋トレなどいろいろなトレーニングに励んでいます。同校あわらキャンパス近くにトレーニングに適した良い坂があって、“坂練習”をすることも。学生達との練習で得ることは多いし、私からもいろいろな経験を発信できるので良い環境だと感謝しています。
―体を作る食べ物にも興味があるはぴっ。好きな食べ物を教えてほしいはぴっ!
〈川上〉
福井の魚介類は好きですが、それ以上に好きなのはお肉! 特に若狭牛はとってもおいしいです。食べ物ではないけれど、カフェ巡りも好きで、行ったことのないお店を探しながら行くのを楽しんでいます。足湯も好きですね。子どもがもう少し大きくなったら、家族で県内のいろいろなところに出かけたいと思っています。
―最後に、今後の目標を聞かせてはぴっ!
〈川上〉
3年後のロサンゼルス大会に出場して、金メダルを獲得すること! そのためにもいろいろな大会に出場しながら、心身ともにレベルアップしていきたいです。いろいろな大会とは健常者対象も含まれていて、日本選手権の標準記録をクリアして、健常と障害の両方の大会に出場するつもりです。そうして陸上をもっと盛り上げていきたいですね。