公開日:2025年2月14日

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「パリ パラリンピック」陸上男子100m(T52車いす)8位入賞、陸上男子400m(T52車いす)10位、伊藤竜也さんへのインタビューはぴっ♪

 

はぴっ♪

伊藤選手も年末に開催された「スポカルFUKUI2024」のステージイベントに参加。福井県スポーツ特別賞贈呈式やオリンピアン・パラリンピアンのトークショーが行われたはぴ。

 

2024年8月28日から12日間にわたってフランス・パリで開催された「パリ2024パラリンピック」。世界で最も優れたスポーツ選手が一堂に会する特別な大会に、福井県出身の二人も日本代表として出場!! 今回は陸上男子100m(T52車いす)8位入賞、陸上男子400m(T52車いす)10位の成績を残した伊藤竜也さんにインタビューしたはぴっ!

 

 

―車いす陸上を始めたきっかけから聞かせてほしいはぴ!

〈伊藤竜也選手(以下:伊藤)〉

私は17歳の時にバイク事故で頸椎を損傷し、車いす生活になりました。2016年に30歳で福井県障がい者スポーツ大会に出場した際、競技用車いすのスピード感に魅せられたことと、アテネパラリンピックの車いすマラソンで金メダルを獲得した高田稔浩さんに誘われたのが、パラ陸上を始めたきっかけです。

 

―2018年にはアジアパラ競技大会100m走でアジア新記録を樹立するなど、世界で活躍している伊藤選手。初出場のパラリンピック、他の国際大会との違いは感じたはぴか?

〈伊藤〉

スタジアムに入った瞬間、それまでの国際大会とは全く違う空気感に圧倒されました。東京の国立競技場でも同じ雰囲気を感じたんですが、ひんやりとした厳粛な雰囲気の競技場に、上から光がキレイに差し込んで……。「ここの主役になれるんだ」と思うと自然に涙が出てきましたね。

 

 

―パリパラリンピックで印象に残っていることを教えてほしいはぴ。

〈伊藤〉

他国のアスリートたちが選手村や練習中はリラックスして“お祭り感”を楽しんでいる様子だったのに、スタジアムに入った瞬間、目の色が変わって本気モードになる切り替えのすごさに驚かされました。4年に一度の大会に合わせてきているライバルたちのオーラや会場の空気にもアウェー感を感じて、雰囲気にのまれてしまったところもあったかもしれません。

 

 

―やっぱりパラリンピックは特別な大会はぴね…。選手村での思い出はあるはぴか?

〈伊藤〉

移動に電気タクシーが使われているなど、環境問題にも配慮した最新技術が取り入れられていて時代は進んでいるなと感じましたね。食事についてはメインダイニング以外に、ミシュランのスターシェフたちが日替わりで登場するキッチンカーがあって楽しめました。本当はフランス観光もしたかったんですが…今回は余裕がなく残念でした。

 

―試合前のルーティーンや、福井ゆかりのもので持っていくものはあるはぴか?

〈伊藤〉

出かけるときにお気に入りのピアスと香水をつけるのが気持ちを高めるルーティーンですね。試合のスタート前は好きな歌を聞きながら口ずさんだりしてリラックスしています。あと、福井のもので言うとお菓子の『五月ヶ瀬』がすごく好きで。パリにも持っていきました。

 

―現在も出身地である大野市を練習拠点にしているのはどうしてはぴか?

〈伊藤〉

コーチがいて環境も充実している東京に練習拠点を置いた方がいいと思って一度はそうしたんですが、どうしても水と空気が合わなくて。食べ物もおいしくて落ち着いて練習できる地元を選びました。冬は屋内練習しかできなかったり、競争相手が近くにいないデメリットはありますが、太平洋側を拠点にするトップ選手が多い中、日本海側でも負けるか!というプライドを胸に福井で頑張っています。

 

―競技を始めて、考え方など変わったところがあれば教えてほしいはぴ。

〈伊藤〉

元々人に手を借りることが好きではなくて何でも自分でやりたいタイプだったんですが、自分がスタートラインに立てるのは家族やスタッフ、他の選手など、周りの力があってこそ。競技を通して目標や夢を持てるようになるとともに、周囲に感謝する気持ちが強くなりました。

 

-これからの目標を聞かせてほしいはぴっ!

〈伊藤〉

私のような障がい者を見て「車いす生活になってかわいそう」と思われる人もいるかもしれませんが、私は健常者の頃より今の方が生活に潤いがあって毎日楽しいです。今後はその楽しさを発信しながら、特別支援学校などでパラスポーツの体験会を開いたり、県外選手を呼んで競技会を開催するなど、選手層を充実させる活動にも積極的に取り組んでいきたいと思っています。また、2028年のロスパラリンピックを見据えて身体や技術をさらに磨いていきたいですね。パリまでは競技の楽しさを追求した4年間でしたが、今度は勝ちに行く4年間を目指します!!

 

 

地元・大野を練習拠点に、さらなる高みを目指して挑戦を続ける伊藤選手。アスリートとしての成長はもちろん、障がい者スポーツの裾野を広げる活動にも力を入れる伊藤選手の頑張りをみんなで応援していくはぴよー!!

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